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ラボ

2013.05.23
DIYドーム投影ワークショップ

2013/05/20に科学技術館で行われた「DIYドーム投影ワークショップ」に参加してきました。1つのプロジェクターでも魚眼レンズを使用することで観客の視野を覆う程度のドーム投影ができるよ、だから気軽にどんどん挑戦しようね(SIHO意訳)っていう主旨のワークショップです。

概要解説

ちょっと前まではドーム投影といえば、プラネタリウムというくらいイメージが限定されていましたが、昨今では、宇宙に限らずいろいろな映像が投影され、その圧倒的な没入感と感動体験より徐々にファンの裾野が広がってきました。
とはいえ、ドーム投影は設備が大掛かり。世の中には多様な新しい機器が出てきてもおいそれとドーム投影時に活用できません。また、話題性のあるテーマをプログラムに組み込むことも旧来の機器ではなかなか難しいという現状があります。

そこで、DIY(Do It Yourself)の出番です!
なお、今回のワークショップは山梨県立科学館井上さんが下記主催の幹事として開催してくださいました。
主催:JPA関東プラネタリウムワーキンググループ
※JPAとは、日本プラネタリウム協議会のことです。弊社も会員です♪

ソフトの説明

今回紹介のあったのは「AMATERAS Media Player ver.2.0」というフリーソフト。このソフトひとつで、ドームの番組制作も投影も両方できちゃう優れもの!
3月にver 2.0をリリースして、以前にも増してかなり強力なツールになった印象です。

活用事例その1「日ハム開幕戦で札幌ドームのグラウンドにマッピング」
活用事例その2「国立科学博物館グレートジャーニー展プロジェクションマッピング」


なんと、製作者自らが使用方法を説明してくれました。初心者にも分りやすいリボンインターフェイスとともに、ハードユーザー向けにはショートカットキーもしっかりそろっているそう。

■サイトから製品概要
「AMATERAS Media Playerは、ドーム映像のために設計された高機能な映像再生ソフトウェアです。高解像度のドーム映像素材(ドームマスターファイル)をそのままドラッグ&ドロップするだけで再生することができます。これにより、これまで扱いが大変だったドーム映像を非常に簡単に再生することができるようになります。また映像の再生のみならず、シアター機器の制御や映像の自動上映などを、すべて映像制作者がソフトウェア上で検討し準備することができます。AMATERAS Media Playerは、ドームシアターという魅力的な映像環境を誰にでもわかりやすく扱えるものにするべく、日々開発が進められています。」

周辺機器の説明

「(機器は)半年から1年サイクルでいいものがでてくるので、欲しい時に買おうよ」とありました。

■プロジェクター
プロジェクターは20-30万程度のものでよいそうです。機器選定のアドバイスとして「設置の際は、プロジェクターのセンターと魚眼レンズのセンターを合わせないといけない。光軸(※1)中心をあわせるのが大事。ビクターはレンズシフト機能はリモコン。エプソンはメカニカルで修正される。」とありました。
また、コントラストの高いもの、黒のしまりがいいものが良いそうです。当日使用していたものは販売終了になっていましたが、後継機は「ビクター DLA‐X30-B」かな。

※1:主催者・井上さんからの補足 (2013/05/23 23:23追記)
レンズをあてがう際、光が通る軸(光軸)をぴったり揃えるのが基本なんですが、場合によっては、わざと、ほんの少しずらしてやったほうが、色収差だか焦点だかが、より理想的になることもあるらしいです。つまりは、現場にて実際に投影される映像を見ながら、細かな調整をするのが大事なんだと思います。

■魚眼レンズ
魚眼レンズはプロジェクターのレンズの口径とあわせます。当日使用されているものは販売終了(※2)になっていました。後継機は「レイノックス HD-FXR180 HDR-FX1専用フィッシュアイレンズ」かな?

※2:主催者・井上さんからの補足 (2013/05/23 23:23追記)
使用していたDCR-CF187PROは、現在も入手可能です。
Raynoxサイトにて
価格.comにて

HD-FXR180 HDR-FX1だと対角魚眼になってしまうので、上記のような円周魚眼のタイプがいいですね。
Raynoxのものは、径が大きくて、プロジェクタの投影口にあてがう時、はみ出てしまう光の量が最低限に抑えられることも有利なポイントのようです(Raynoxの大きさを持ったレンズ、ほかにはたぶんあまり無いのだと思います。)

■コントローラ
よく使うショートカットキーを割り当てすると便利なMIDIコントローラー(右の4台)とiPad(左端)。
iPadにもOCSアプリを入れると、割り当てできるそうです。amazon参考link


いっそドームも作っちゃえ

ドーム向け映像を制作しているスターライトスタジオさんは、会場でも展示のあった直径2mくらいのドームも自作されたそう。出張演示もしているそう。素晴らしい~~。
休憩時間中に、参加者が入れ替わり立ち替わり、この手作りドームに集まっていました!

投影してみよう

一通り説明を終えたあとは、実際にドームに投影した時のTips解説のため、会場をシンラドームに移動しました。

暗くてメモすら取れなかったのですが、うろ覚えながら、教えてもらったことを覚書にて。
・ドームの素材は反射率が高いと映像自体は明るく見られるけど、コントラストが下がるそう。
・天頂や水平のあわせ方の実演。
・スライドなどの2枚目の画像を挿入する際の投影始点の設定(中心・後方)による見え方の違いについて。
・マウスコントロールでの操作。
・プロジェクター位置の違いによる見え方の違い。

基本的な設定の話の後は、参加した皆さんのもちより作品の上映会となりました。
アート作品や、実際に山梨県立科学館で上映中の「MUSICA」の映像(監督さんのアドリブ解説つき!)や、天文現象の観察映像などさまざまな映像を見られて創作意欲がぐんぐん沸きました。次回は私も何か作品を作ってから参加したいと思います。


この写真は、和歌山大学の水中撮影実験のもの。魚眼レンズと4Kカメラで撮影したという話でした。写真じゃ全然伝わらないのですが、あまりの美しさに会場からは感嘆の声があふれていました~~。

次回のワークショップにも積極的に参加したいと思います。ご案内がきたときには弊社のFaceBookファンページでおしらせしますね。「いいね!」をしておくと、あなたのウォールに弊社のお知らせが表示されます。あわせてよろしくお願いします♪

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