2013.05.27
Big Raspberry JAM TOKYO 2013
概要解説
Raspberry PI は、このLabでもたびたび取り上げている、手乗りパソコンです。価格もお手ごろだし、小さいし、バスパワーで動くしといろいろ興味を惹かれる機器です。
このイベント開催の少し前、5/15にはカメラモジュールも発売され、その勢いはとどまるところを知りません。
☆参考
「Raspberry Pi でインフォメーションシステムを作ろう・前編」
「Raspberry Pi でインフォメーションシステムを作ろう・後編」
基調講演
この魅力的なデバイスが生まれた背景や、その目指すところなどのお話がありました。
発売当初は中国で生産していたのですが、その爆発的な注文数で生産が間に合わなかったところ、生産の場を地元の英国ウェールズで行えることになり、安定供給に結びついたそうです。それでも価格は据え置きととても良心的ですね。
その理由は、開発者のEbenが大学で教鞭をとっていたころ、だんだんとコンピュータプログラミングを学ぶ高校生が少なくなっていたことに危機感を覚え、教材として使える価格での提供にこだわりがあるから。
スライドに映し出された「Raspberry PIが目指すもの」その理由がありました。
・可能な限り多様な言語でプログラミングできること
・子供たちにとって楽しいもの。つまりゲームやビデオを楽しむように使えるもの。
・小さくて頑丈。学校に持っていける
・低価格 低価格なら教材にも採用してもらえる。
今後は、最初の一歩をより容易にするためのスターターキットの販売を予定しているそう。
万一、クラッシュしても、電源を入れた直後に[Shift]キーを押したままにしているとリカバリーモードが起動し、その画面よりOSの再インストールが可能になるとか。
事例
世界中で多様な使用例があがっているそう。
・アメリカの開発者によるシンセサイザー
・Arduinoと連携させて、ビール醸造所で温度などのコントロールに使用
・デジタル一眼と連携させて、自動撮影的なもの
・古いゲーム機をエミュレートしたり動かしたりしている
・イギリスでは、気象観測用の気球にたくさんのRaspberry PIを積んで宇宙に飛ばした
・そのほかアートで使用されている例をたくさん
Raspberry PIのケースでも、様々なトライが見られる。ダンボールにプリントしてつくったり、レゴを用いて作ったり。
これらの事例を見て、世界中でRaspberry PIの愛好家が急激に増えていることが良く伝わりました。特に、学校などでの小学生を対象にしたワークショップで子供が楽しんでいる姿が印象的でした。
Minecraft
事例の紹介の中に「Minecraft」というキーワードがありました。それだけでは具体的な内容が分らなかったので、調べてみました。
参考記事1「超小型PC“Raspberry Pi”向けに『Minecraft: Pi Edition』が無料配信」
記事から引用「昨年11月に開催された『Minecraft』のファンイベントMineCon 2012で予告されていた通り、超小型PC「Raspberry Pi」向けの『Minecraft: Pi Edition』が配信開始となりました。ダウンロードは公式サイトから無料で行えます。」
参考記事2「Raspberry Piに移植されたMinecraftで子どもが遊びながらプログラミングを体験」
日本の公式wikiより「Minecraftとは」を引用「Minecraftは、2009年5月10日にNotch氏(本名:Markus Persson)が開発を始めた、サンドボックス型のものづくりゲームです。 レトロゲーを想起させるドットテイストのブロックが溢れる世界で、プレイヤーは建物やその他のものを自由に創造することが出来ます。未開の土地を探索したり、洞窟を探検したり、モンスターと戦ったり、植物を育てたり、新しいブロックを手に入れ配置することで、様々なものを作ることができます。 創造(想像)力次第で小さな家から、ドット絵、地下基地、巨大な城まで何でも作ることができます」
なるほど、これがRaspberry PI向けに無償で提供されるとRaspberry PIでのゲーム作りはとてもやりやすくなりますね!
気になったデモ
当日、デモは4本+ショートデモ1本が行われました。私の気になったデモはこちら!
・「Raspberry PIでScratchハッキング」 (阿部和広/OtOMO・青山学院大学)
Scratchというプログラム言語は、「コードをテキストで書く」のではなく、ブロックのごとくパーツをドラッグ&ドロップで組み合わせるもの。そのユニークさにまず驚きました。登壇された阿部さんは、子供向けのワークショップを数多く行われているそうです。(活動内容はこちらのサイトで確認できます。)
また、コードを書きたい人のための隠しコマンドも入っていて、Scratch のメニューの上で[Shift] + [click] + [R]キーを押すと、Smalltalkのエディター画面が出現する。
5/初旬にver 2.0がでてGPUでビルドできるようになったとか。従来でも一通りのセンサーは入っていたそうだが、バージョンアップでモーションセンサーもついたとか!Raspberry PI さんにGPIOがはいっていてそのままブレッドボードのLEDをON/OFFできるそう。
参考:阿部の音センサーを使ってScratchから扇風機のオンオフをの切り替えをしている動画
参考:
Scratchとは
ver 2.0からscratchはサーバ上で作成&実行するクラウド型になりました。(要Flash Plug-ins)
それ以前のv1.4も5/27現在においてはダウンロード可能です。
・「UNIXネイティブのための電子工作塾」(大野浩之/金沢大学)
当日のスライドなどがあるサポートページ
英語でのプレゼンだったので頭にほとんど入っていませんが、首からカードを提げるネックストラップにRaspberry PIをぶら下げて、MacBookAirにぶら下げているのは便利そうだなと思いました。(すみません、こんな感想で。。)
・「Raspberry Pi レゴケースの作り方」 (古村圭加 / 株式会社 Sophiro)
具体的な作り方の紹介がありましたが、写真取りそこねる大失態。。。T_T
仕方ないので参考イメージを検索しました。レゴでケースを作ると拡張性があっていいですよね!
気になった展示
会場の入り口付近には6台の机が並びそれぞれに興味の惹くあれこれを展示していました。気になったものをいくつかご紹介します。
・太陽熱利用で電源要らずの電子POPシステム
こちら、ソーラーパネルと蓄電式の電池を使用したシステムです。もちろん停電時も問題なく動きます。計算値によると一晩中稼動するくらいの電力はこのソーラーパネルで得られるとか。つないでいるモニターは1366x768だとか。こちらもバスパワーで動くそう。10wくらいだそう。
正直、「やられたー」とショックを受けましたが、このシステムを作られ方によるとIIJさんで販売するのは3GデバイスについているSIMカードとそれで使用する「緊急地震速報」Webサービスだとか。こちらの太陽熱利用での電子POPシステムは販売予定は無いということなので、一安心。使用している機器を教えてもらって来ました!なので、ご要望があれば弊社で販売しますー。弊社的にはこれにFlashのUIをつけたインタラクティブな電子POPにしたり、FileMakerサーバと連携させて管理画面をつけたりと想像を豊かにしています♪
・ユーザーグループはこちらです
日本ラズベリーパイユーザーグループ
最後にRSコンポーネンツさんからお知らせなど
・カメラモジュール発売しましたよ。でも、入荷待ちですよ。でも、メッチャいい感じですよ!
商品概要
定点カメラとしていかがでしょう?
・designsparkを利用してね
RSコンポーネンツさんのユーザー向けSNS的なサイト。従来、独りで黙々制作するというイメージの電子工作がこちらのサイトに掲載されているプロジェクトにjoinして行くことで複数人でコラボレートしやすい環境になる。サイトからDLできるフリーの基盤設計ツールを使用(上記の画像)すれば、ファイルのやりとりがブラッシュアップもしやすいだろう。とのこと。
そのほか、メモ書き
・SDカードでつかうより、外付けのUSBを使う方が動作が早い。
・(安いし小さいし)クラスタリングおすすめ
・積んでいる石は超強力(GpenGLもOKだとか)
・フォトカプラは便利そう
-フォトカプラは発光ダイオードの光でフォトトランジスタを導通させる-
・懇親会で見せてもらったAndroid端末から操作可能なロボット。m3pi robot かわゆい♪